オランダのフリーツアーが最強のビジネスモデルだった

ビジネスという言葉は怪しい
スポンサーリンク

 ビジネスとかイキった言葉使ってますけど、『お金の扱い』に関するお話です。

フリーウォーキングツアー

 オランダの首都『アムステルダム』にて、フリーウォーキングツアーというものに参加して来ました。


↓海外のサイトですが、一応コチラで詳細が分かります。

Visiting Amsterdam: 3-5 Day Suggested Itinerary for Travelers
This 3, 4, or 5 day Amsterdam itinerary will help you make the most of your stay by giving you suggested thing to see and do on your trip!


 友達とヨーロッパ旅行を決めるやいなや、計画が面倒な我々は、「とりあえずツアーはチェックしとこうぜ」ということで、各国のツアーを片っ端からチェックし始めました。そこで見つけたのが、アムステルダムでの、フリーウォーキングツアー。





結果:『タダの散歩巡りに、2時間で1200円払った』



 どうやら彼ら、トリップアドバイザーでも受賞する程のヤリ手だったらしいです。 

 実際ワタクシもタダというワードを耳にした時に、どっかの提携してる博物館やら動物園やらサンリオピューロランドやらに連行されてボったくられるのかな、と思ったんですけど、実態はそういうワケでもなかったんですよね。


 そこで今回は、奴らがどんな怪しい方法でタダを謳って稼いでいるのか、ということについてアツく解説していきます。

ハイテンションな男性

 フリーウォーキングツアーというのは、事細かい説明を抜きにして大胆に申し上げると『正真正銘のタダの散歩に、実況中継が付いたもの』と言った感じでした。とにかく、今のSNS世代にハヤりの実況がミソです。

 ワタクシが申し込んだのは、午後1時から2時間のツアーで、アフロ状の男性がガイドしてくれました。著作権という法を度外視しても写真を載せたいくらい珍妙な見た目のガイドでした。


 そして、ツアーが開始するやいなや、彼は喋りまくっていました。その内容も、「こちらが三大ガッカリ名所の『札幌時計台』でございます」などと、見れば一瞬で分かるコトをあえて言って来ないです。

 オランダの家が斜めっている理由や、船を家にして暮らすハウスボート族の話、どこが合法の大麻を買うのに最適な場所か、など『ローカルじゃなきゃ知らないこと』を教えてくれます。


 しかし、彼の何より凄かった点が、「全ての客の出身地を1回で覚えたこと」です。そして、こんな風に喋っていました。



ガイド:「アムステルダムで有名なハウスボートですが、安くても1棟5000万円位します。」

一同:「おぉーー

ガイド:「でも、見て下さい。イギリス人だけ驚いていません。イギリスにもハウスボート族が進出しているからです。」

 こんな感じで、アムステルダムとツアー客の出身地の文化を関連付けて説明する聡明さは、モノの見事でした。

結局、どう稼いでいるのか

 「おもしろオジさんと歩けてサイコー!」と思っていたのも束の間、最後の最後に彼が繰り出した究極の一手がコレでした。



「価格は、アナタの善意に委ねます。」



 コワい。普通にコワいっす、コレ。「アレ、その辺に教会でもあったカナ?」と思いました。そして、みんな普通に1000円以上払う。何なら、5000円とか払っちゃってる人もいました。


 そしてこのサービス、実はトリップアドバイザーで90%以上が☆5を付けてるんですよね。ナゼでしょう?

固定価格の考えと、そこから見えるもの

 固定価格がない時、我々はどうしてこんなトチ狂った値踏みをしてしまうのか。


 例えば1000円の固定価格がついたモノがあるとします。すると、「目の前にあるモノが、自分の持つ1000円に値するかどうか」という基準で、我々消費者は考えます。

 一方で、その固定価格を失うと、「自分の1000円が何に値して然るべきか」というサジ加減で考えることになるんですよね。そしてコレが、私にはめちゃくちゃ難しかった。


 固定価格が提示されないと、イヤでもこの考えをしなきゃならなくなります。で、その時同時に生まれた世にも恐ろしい発想が、「自分がカネを払えば払う程、価値のある体験をできた気持ちになる。

 この考えをした自分が、空恐ろしかった。自分、マルチ商法とかハマっちゃう種族かもしれない、と思いました。


 自分がもう既に体験した事に対して、その価値を数字で表して下さいって言われると、イヤでも低い数字は付けにくくなります。実際フリーウォーキングツアーのサービスは素晴らしかったし、何一つ不満はなかったのですが、「カネを払うことで自分の満足度の指標が上がることを意味するシステム」は一種のマインドコントローラーでした。

 つまり、人類にとって最も奇妙である「カネを払いたい」という感情が生まれます。カネを払えば払う程、「良い経験が出来た」と言って帰って行くんです。これってもはや、「タダ程怖いものはない」とか悠長なこと言ってる場合じゃないと思います。


 そしてこの時、もう一つの視点から見える最も良い点は、「提供側のサービスがおろそかにならないこと」です。『価格後決め』のルールがあることで、「ベストのサービスで最大限の価格を付けてもらおう」という意識が自働的に構築されます。究極の成果報酬制度です。

 つまりフリーウォーキングツアーは、生産者と消費者が自然と最大限に与え合おうとしてしまうシステムだったということです。

何が、最強のビジネスモデルなのか。

 私が最強のビジネスモデルだと思ったのは、彼らのお金を得る方法が上手だったからではないです。


 お金を要求するという『搾取』の背景を全く抜きにして、価値の交換が成立するものだったからです。今のクラウドファンディングと似たようなものかもしれません。


 そして私はそこに、誰もが必要以上に与え合おうとする世界の構図を見て、1人で嬉しくなっていました。




▼コチラもどうぞ。
「優秀な社員が欲しい」ってどういう意味ですか?
「海外行って価値観変わった」がウザい理由を分析したい

タイトルとURLをコピーしました