ファイヤーアラームが鳴りやがった。火事だ。

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最悪の事態

 ソイツが鳴ったのは早朝の10時半で、当然のように私は寝ていた。

 実は、こちらの国(ノルウェー)では木造建築が多いからか、非常に敏感なファイヤーアラームが設置されており、鳴るのはさほど珍しいことではない。当方、4ヶ月で4回もこの状況に遭遇した。


つまり、これは月1のイベントだ。


 こんな感じなので、住人はその対応に非常に慣れており、大概の場合まず「鳴りやがった」という顔をする。「ヤバい!緊急事態だ!」とは断じてならない。正当な反応は「鳴りやがった」だ。ファイヤーアラームが鳴ってしまった手前、逃げる姿勢を見せて「面目を保たねば」といった具合だ。


 しかし、今回のアラームはドコか違った。当方、ファイヤーアラームのエキスパートではないので詳しいことは署で聞かせてもらって欲しいが、なんだか音がタダならない感じを醸し出していた。

 考えてみれば、ファイヤーアラームがアパートの全棟に渡って鳴り響くということは今までなかった。これは、誤作動した警報を操作すれば、消防団の襲来を回避できるからだ。こんな奇特な状況は日本ではまず起こらないが、こちらではよくあるし、何ならその方法を「学ぶ」ことさえある。

 ワタクシも2回程学んだが、確か、報知器を止めるトコロに行って何かしらの具体的な操作をすればいいのだ。とにかく、何かしらの具体的な操作だ。これで全てがマルく収まる。


 しかし今回は誰もその措置を取らなかったために、アパート全棟をファイヤーアラームが揺るがす事態となり、「これは、ヤバいヤツなんじゃないか」という危機感が芽生えていた。

消防団もちゃっかり来てしまっていた。


 が、そんなことは本題ではない。ここで、人間観察を蜜の味とするワタクシが、緊急事態の対処法からその人の人間性がよく見えるな、と思ったのでこれについてアツく語っていきたい。

Tシャツ一丁で出てくるヤツ

 これは何を意味するかというと、物事を先読みする能力のないアホだ。

 そしてこれの意味するところは、ワタクシだ。事件発生当時の天候は雪だったのだが、寝起きという圧倒的な弱点により冷静な判断能力を欠いており、私を含めたった2人きりのアホグループに分類されるという不甲斐ない結果となってしまった。

 こういうヤツは何かの間違いでバトル・ロワイヤルが始まった時に、真っ先に死ぬことになるので気をつけた方がいい。

ジャケットを羽織り携帯を持って出てくるヤツ

 これは正常な判断及び危機管理能力を兼ね備えた人間の一般的な行動パターンだ。

 まずアラームが鳴り止むまでの間はゼッタイに暇だからネトゲやソシャゲ諸々に終始することができるし、仮に100万分の1の確率で予期せぬ事態だったとしても、即座に誰かに連絡することができる。

 ジャケットを着ることで『誰かにアホだと思われない』という絶大な効果も期待できる。

全ての外出の準備を整えて、『出かける』ヤツ

 これは、シンプルに猛者を意味する。

 ファイヤーアラームをイイコトに、出かけるのだ。時間を一寸たりともムダにしまいという心ゆきと、鋭い判断能力。アパートの駐車場でたむろしてファイヤーアラームの終息を心待ちにする、『我々下等民族』との圧倒的差別化。

 こういうヤツは何かの間違いでバトル・ロワイヤルが始まった時に、恐らく場を仕切り始めることだろう。どういう経緯でその権限が委託されたのかはさっぱり分からないが、とにかくサバイバル状況下におけるルールをひたすらに決めたがる。こちらもある意味で要注意人物である。

幸せ指数が一番高いヤツ

 並々注いだホットコーヒーを2杯持って降りて来たジェントルマンがいた。そして、ツレの彼女と談笑しながら、そのホットコーヒーをすすり始めた。

生死の境目、ホットコーヒーくらい飲もうぜ」という粋なメッセージを感じた。素敵だった。




そして、彼らのホットコーヒーが枯渇した。 











ハグが始まった。



 何の脈絡もなく、ハグが始まったのだ。ロジックが欲しかった。ファイヤーアラームが鳴り響く最中、ハグを開始するカップルに、私はロジックを求めた。







そして次の瞬間。









キスだ。キスが始まった。












怖かった。気が知れなかった。






 正直ハグの時点で、「公の場でイチャイチャするカップルは速やかに射殺されても文句は言えない国、日本」で生まれ育った私は、ささやかな嫌悪感を覚えはじめていた。しかし、コーヒーの点を評価してしまった手前、そんなにスグに評価を覆すことはできない。



 しかし、コチラが油断している隙にキスが始まっていたのだ。


 この時点で私からすれば、コーヒーの点を加味してもプラマイゼロ、むしろマイナス8000点なのだが、そんな私の気持ちを汲んでくれることもなく、あろうことかディープキスがおっぱじまっていた。










「火事であってくれ。」と願ってる自分がいた。





 そこからはもう自我のメンタルヘルスのために見ていない。

いかがだっただろうか。

 お察しの通り、ファイヤーアラームはタダの誤作動でした。私の恥さらしと、彼らのコーヒーブレイク及び諸々のプレイ鑑賞の場となり、無事に約30分に及ぶ我々の避難生活に終止符が打たれました。





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