半年間本を読まなかった私がずっと読みたかった本3選

ひっしゃのコラム
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人として好きな人の本を読む、というのがポリシーになりつつある。

半年間本を読まなかった

 半年間のノルウェー留学生活の中で、日本の恋しかったものと言えば、飲み放題、白米、結婚する前の蒼井優など、即座に5億個は挙げられますが、中でも堂々の一位は「日本の本が買えなかったこと」です。ちなみに当方は、まだ紙の本にこだわる老害なので、e-bookとかいうハイテク技術に甘えていません。

 そんなことを宣っているうちに、読書リストの『未読』が膨張し過ぎて収拾がつかない事態になってしまいました。今回は、そんなしたためていた読書リストの中から、帰って即読みたい本3冊を厳選したので、イキナリ堂々の1位から紹介していきます。

1位: 苦しかったときの話をしようか(森岡毅 著)


苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」


 本の出版時に「ダイヤモンド・オンライン」というビジネスサイトで、5回に渡って森岡毅のインタビュー記事が上げられていたので、「ダイヤモンド社がそれだけゴリゴリに宣伝かける本ってどないやねん」とずっと気になっていました。蓋を開けたらちゃんとAmazonにて高評価祭りが開催されているので、よっぽど中身に自信があったのでしょう。その月のダイヤモンド社のランキングでは、ちゃっかり首位に君臨していました。

 ちなみに筆者の森岡毅は、端的に紹介すると、元P&G社員で、特に「ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの奇跡的再建」で知られている人物です。

 実はこの本、副題には『ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』とあります。森岡毅によると、本当にこの本を出版する予定はなかったようです。この、「子の成功を願う親の思い」というビジネス書に珍しい優しい語り口調が、ヒットを呼んでいます。


 正直、私がナニを言うより、インタビュー記事を読んでもらえば一発でこの本を読みたくなること確実です。ワタクシ普段結構記事を読みますが、その中でも知り合いに教えるのがもったいないタイプの記事が、この5連載でした。コチラからどうぞ。

成功者とは、好きなことの発見者である森岡毅インタビュー[1]
 平成時代が終わり、令和時代が幕を開ける。同時に働き方改革関連法が施行され、日本人の働き方も新しい時代を迎えそうだ。とはいえ、景気が回復したとは言い難く、明るい話題ばかりではない。「何をしたいのかわからない」と悩む就活生も、「このまま今の会社にいていいのか」と悩む社会人も少なくないだろう。  そんな悩みを解決する本が...


 本の本質としては、『キャリアを選択する上での軸』に焦点が当てられているという点で、特にワタクシと同年代の方々にとっては、今読むのが絶好のタイミングかもしれません。

2位: デジタルネイチャー(落合陽一 著)


デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂


「今、日本の未来について最も考えている30代」と言っても過言ではない落合陽一の新作です。News picksというニュースアプリに課金して、落合陽一の冠番組「WEEKLY OCHIAI」が見られるようになりました。その一部始終に関してはコチラにて確認頂けます。

 不本意な事態での課金でしたが、コレを見てからというもの、実際月額500円は意外とオイシかったなと思うようになりました。

 落合陽一が何者かというのを簡単に説明すると、ゲタで登場した上にタメ口かまして叩かれてるnews zeroのコメンテータがいたら、それは多分落合陽一です。又の肩書きを、『筑波大学デジタルネイチャー研究室の准教授』と言います。

 news zeroではこんな評価ですが、「WEEKLY OCHIAI」は彼の本質を分かって見に来ている人達ばかりなので、言葉選びも地上派を意識していない、彼自身に近いものになっているので面白いです。見所は、たまに落合さんがファシリテーター置き去りにして、『日本語とは到底思えない誰もナニも理解できない話』を突如おっぱじめる点です。見応えあります。


『デジタル・ネイチャー』はそんな彼が書いた最新作で、お察しの通りでしょうが「まえがき部分の計算機的自然世界の解釈に約2時間はかかる」ことで有名になっています。そもそも「計算機的自然世界」というワードが、見ただけでアナフィラキシーショックを誘発してきます。「次の時代を考える上では必須の本」と言われていますが、それが本当だとしたら次の時代が複雑過ぎてどうにかなりそうです。なんとか着いて行きたいので読みます。

 若干イラッとした点として、この本の定価3000円が落合さんの『高すぎる自信』にしか見えないということが挙げられますが、価格を気にしない層しか買わないってことを分かってやってるか、学生の飲み代との価値抗争に挑んできたかどちらかです。買ってやります。

3位: サピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ 著)


サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福


 ある程度本を読む人であれば、「え、今更?」という一冊だと思います。2017年に全世界で500万部を突破した世界の大大ベストセラーであり、『人類の必読書』という大げさなレッテルを張られています。

 存在は以前から認知していたのですが、読みたい本が次々浮上する私にとって、さすがに300ページ2冊は代償がデカ過ぎるので避け続けてきました。こんな本を人類の必読書にするなんて、人類の忍耐力を過信し過ぎているとしか思えません。

 つまり、人類を一瞬で萎えさせる必読書なのですが、それでも挑戦しようと思えるきっかけがありました。


 ノルウェー滞在時に、有り難いことに非常に頭の良いウクライナ人の友人がいて、喫茶店でこんな話をしました。

人類が家畜を飼い慣らしているなら、同時に人類は牧草に飼い慣らされていると言えるよね?

 正直、喫茶店でこんな話をしたという事実を今振り返ると、恐怖します。そこがノルウェーで良かったと思います。日本でこんな話をしようものなら、喫茶店の営業妨害で即出禁となったことでしょう。私だって近寄りたくないですもん、こんな話してる人いたら。


 ですが、これは彼が読んだという「サピエンス全史」の話をしてくれていた時のことです。「貸すよ」と言われたのですが、さすがに英語ver.を渡されても借りパクを禁じ得ないので丁重にお断りしました。

 ここではまだ、読むエンジンに手を触れかけたくらいだったのですが、その後少し調べてみてエンジン全開の事態となりました。

 この本の序章は、「我々サピエンスが地球上で他の種を圧倒した理由」の解説になっており、その理由が、「虚構を信じられる力」を持ったからだそうです。これを聞いただけでも、正直即刻通訳を雇いたい感じですが、実はこのコンセプトに私は、森博嗣を見てしまったんです。

人類史上最大のトリックとは神がいると信じさせたことだ

 これは森博嗣の、「笑わない数学者」という小説に登場する一言です。こういう言葉が小説に登場している時点で、小説の定義にすら「Doubt!」と叫びたいお年頃でしょうが、少し我慢して「サピエンス全史」のコンセプトとの過剰なまでの類似点にご注目下さい。

「サピエンス全史」 の虚構を信じる力というのは、つまりのことです。この神をトリックだと言うのは、研究者らしい森博嗣の一言だと思います。

 簡単に言うと、「重力の原理は W=mg で科学的に証明できるけど、地球に重力が存在する理由までを説明しようとすると、神の創造であるという他ない」という論理です。つじつまの合わない事柄に対して、あたかも理にかなっていることとして説明しようとする世界の大仕掛けが神だと言いたいワケです。

 この都合の良すぎる神の存在について、何らかの解説が欲しいアナタと私は、「サピエンス全史」読みましょう。YouTubeで良い曲を見つけたら、スグに「神曲」と宣うそこのアナタも、トリックにかかってしまっているので読みましょう。

いかがだっただろうか

 新書って大学生にはかなり近寄り難いもので、当方も小説作家として好きだった森博嗣が新書を書いていなければ、絶対にそちらの世界には行けなかったと思います。つまりミソは、「本を選ぶ時にタイトルではなく作者で選ぶ」ことです。フィンセント・ファン・ゴッホが描いてるから絵を見るし、乃木坂46が歌っているから曲を聞くんです。彼女が手作りしてくれたチョコは、やっぱりゴディバより嬉しいんです。

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