人生の目的?そんなものある訳ねぇだろ。

生き抜くメンタル
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 森博嗣の『つぶやきのクリーム』という作品の中に、「生きている事がそもそも賭け事のようなもの」という言葉がある。

森博嗣について

 当方、森博嗣という作家のことをこの上なく尊敬しており、海外に来てキツかったことといえば激太り生理用品のクオリティが劣悪過ぎるなど色々だが、一番が森博嗣の作品が読めなかったことなんじゃないかと思う。

 私がナマイキな人間であることは全国民のコモンセンスであるとして、そんな人間からしても森博嗣が『唯一頭の上がらない人間』だと言えるのは、彼の多角的な視野から物事を評価する客観性と、具体的な話を抽象に持ち上げる文章力が物の見事だからだ。




 恐らく今の森博嗣描写、全く頭に入って来なかっただろう。
 抽象的すぎたので、これからカレの世界観を少しだけ体験して頂きたい。

人生の目的について考えたことがあるか?

 就活でよく「10年後の自分はどうなっていたいか」というのがあるが、 就活生諸君がこんな人生のロードマップをむやみやたらに求めてくるESに直面した際には、とりあえずイノベーションとかマスターベーションとか言ってさっさと次に行って頂きたい。

 こんな答えのない質問について考えるのはハッキリ言って時間のムダで非合理的だ。 あまりに漠然としたお話過ぎて「そんなとこに確かな答えはねぇだろ」と本気で思うし、「明日どうなっていたくてそのために今日をどう過ごしたのか」の方が重要だと思う。






「でも人生の目的が見えないと、キャリアを決めることなんてできなくね?」



…。








「確かに。」




 これは私がよくツルんでいる気の置ける先輩とした会話で、上の事象について改めて考えるキッカケになった。

 その後で、我々は何の脈略もなく「ランニングっていいよな」っていう死を意識し始めた50代みたいな会話をおっぱじめたんですけど、コレが意外にも答えを導き得ていたのでここにも残しておきます。

ランニングはじめました。

 当方、こっちの国に来てからランニングを始めたんですけど、初めてランニングをした時、携帯を置いて外に出ました。普通に一周できそうなルートを選べば帰れると思ってたんですけど、想像以上に道が入り組んでいて迷ってしまったんですよね。で、迷ったときどうなったかって言うと、『走り続けられなくなった』んです。

 その時、「あぁ、ゴールが分かんないと走り続けることってできないんだな」って思って。これって実際、仕事のプロジェクトでも遠距離恋愛でもマリオカートでも何でもそうで、ゴールが明確じゃないとやり続けることなんてできないんです。





 でもそのゴールって、5年後10年後とかの、もう道の舗装状態すら変わってるかも分からない状態でのゴールではないじゃないですか。

 今ある道から確信を持って行ける『確かなゴール』じゃないですか。

で、森博嗣ドコ行ったん?

 言いたかったのは、これが『森博嗣から得た考察方法』だってことです。ランニングから「仕事におけるモチベーションを失わない計画の立て方」が見えることもあるわけで、それは『ランニングで迷って走れなくなった』という事象を抽象化したためです。

「考えることをやめなければ、物事の抽象化が得意になる」
これによって身につく思考ベースのことを、森博嗣は『抽象思考の庭』と言っています。


 優秀なビジネスマンが娯楽の時間も重視するのは、娯楽からビジネスのアイデアが突然閃いたりする『物事を抽象化する脳の庭』ができているから。目の前の具体を抽象化して他の具体に適用する力がアイデアの根源だということです。

 これは、森博嗣の『人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか』っていうネーミング偏差値35の良本に書いてあります。

人生の目的トカ。

 今回の考察課題である言葉が「生きている事がそもそも賭け事のようなもの」っていう森博嗣のコトバだったんですけど、この時彼はこんな話をしています。


そもそも、生きているのと死んでいるのとどっちがいいのかなんて死んだことのないあなたには分からない。

『なんとなく生きていた方が良い様な気がするから』という具合に生きているのに、そんな人生に具体性が立つわけないだろう。

つぶやきのクリーム The cream of the notes (講談社文庫)


 原本のエッセイを今はチェックできないので、一語一句は合ってないと思うんですけど、言ってた内容はこれです。 コレが、人生を賭け事と比喩した森博嗣のロジック。人生の目的の具体性なんて、考えるだけ無駄。


 ちなみに彼の著書のほとんどは小説ですが、小説の中にもこの森博嗣イズムは健在していますので、安心して手に取ってみて下さい。


 最後に、ネーミング検定5級不合格を喰らう著書 『人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか』 に書かれてあり、私が今まで出会った中で一番有り難い言葉を残して終わります。




人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書)






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